友人?夫婦になぜか粘着された修羅場。

20代前半の頃、私とA男は付き合っていた。

その後別れ、A男は私の元同級生でもあるB子と結婚。

ほぼ同時期に私は今の夫と結婚した。

ちなみに私とB子とではあらゆるスペックでB子の方が上。

顔、スタイル、学歴、年収、家事の腕、マメさ、何ひとつかなうところがないので、そもそも張りあう気すらない。

あのB子と結婚するなんてA男スゲー、と驚いたほど。

そんなB子が結婚して1年ほど経ったころ、うちに粘着しはじめた。


私は結婚して旦那のいる隣県に引っ越したんで、距離的にはAB夫妻と近くはない。

しかし高速使えば車で1時間弱で着けるからさほど遠くもない。

最初は電話やFAXで

「結婚生活がうまくいかないのはあんたのせい」

「あんたがA男をたぶらかした」

とイミフな恨み事を言ってくる程度だったのが、次第にエスカレートして我が家に直接突撃してくるようになった。

近所のポストに私の悪口を印刷したチラシを投函したり、玄関先で「A男があんなになったのはお前のせい!」と泣きわめくなど。

最初はかばってくれた夫も

「あんなに粘着するってことは何かあるんじゃないか」

と私とA男を疑いだし、一時期は夫婦仲も悪くなってさんざんだった。

申し訳ないことに結局恩師に間に入ってもらうことになり、恩師立ち会いのもとAB夫妻と、うち夫婦とで話し合いの席をもうけた。

B子は語った。

「A男は私の作る料理に何ひとつ文句言わないけど、無言で何にでもマヨネーズをかける。そうでなければ大量にウスターソースをかける。そのまま食べてくれたことが一度もない。さらに風呂あがりに体を拭く習慣がなく、せっかくきれいにした床をびしゃびしゃにして歩く。エトセトラエトセトラ…」

これら全部が

「Cさん(※私)がA男を甘やかしてきたからだ」

「Cさんが悪い」

ということになっていた。


確かに私はずぼらで雑。

私の料理にA男がマヨかけようがソースかけようが気にしたことなかったし、床をびしゃびしゃにされようが「拭いとけや」ってタオル渡すだけだったし、トイレの大が流してなくとも「またかよ」って思うだけだった。

でもそれは料理自慢できれい好きのB子には耐えられない生活で、A男にベタボレだったB子は本人に直接文句も言えず

「Cさんが交際中に教育してくれなかったから悪い!」

となぜかこっちに怒りを転嫁してきたものらしかった。

その後は恩師の大岡裁きにより、お互い離婚の危機を脱することができた。

うちの夫から

「前からおまえをだらしねー女だと思ってたが、同じくそれなりにだらしない俺にはBさんみたいな美人なきっちりした嫁は疲れるだけとわかった。これからもお互いほどほどにだらしなく楽にやっていこう」

と言ってもらえ、良かった。

その後やはりAB夫妻は離婚してしまったが、うちは円満のままなのでまあまあ良かった…。」