学生時代やってたバイトに勘助が入ってきた。

この勘助、そこそこ良い大学に行ってたけど、仕事が出来ないし空気も読めない。

やらなくていい仕事をする、無駄なところに異様にこだわる。

怒られると拗ねてその場で壁や物を蹴る。

目下認定した奴に対してはパシり扱い、かといって目上の人を尊重もしない。

容姿もアレなんだけど、それ以上に様子が挙動不審で目つきがヤバイ。

あと臭い。と勘助だということを除いてもお断り物件。

入ってすぐ、勘助は在籍していた女子全員にメール攻撃をはじめた。

1日4,5回質問メールが来てキモイなーとは思っていたけど、他の子も同じ目に遭ってるとは知らなかった。

後で聞いた話だけど勘助は女子を選別してたらしい。

私は学年もバイト暦も上、おまけに勘助の指導担当で厳しいことも言っていたため、彼女候補リストから外れたらしく、メールは次第に減っていった。

選ばれなくて良かったけど勘助に選択肢にされた上外されたの地味にムカツクw


リストアップの結果、新人の女子バイトに狙いが定まった。

気が弱いやさしげな年下A子は先輩だからと勘助を無碍にも出来ず、メールにも真面目に返事していた。

私は勘助と交通手段が一緒になる時があるんだけど、その度に

「A子さんはいい人だ、笑顔がいい。きっと自分と合う。どんどん好きになっていく」

と相談を受け、私必死に勘助を説得。
でも勘助聞いちゃいねえ。

そんな時新しくバイトに入ったのは超絶美少女B子。

小柄で活発、仕事も出来るし社交性もあるけどかなり気が強くてA子とは真逆のタイプ。

B子が入った後、勘助は

「A子さんもいいけどB子さんも素敵で惹かれる。だけどA子さんの笑顔は裏切れない。どうしたらいいだろう」と言い出す。

どちらもやめてあげてと必死で伝えるが、勘助聞いちゃいねえ。

A子にもB子にも彼氏いるってことも伝えたのに、勘助って本当に都合のいい解釈しかしない…。

なぜ勘助が選ぶ立場にいると思えるのか、自分のことじゃないけどだけどすごくムカツク。


勘助を説得するのは無理そうだったのでA子B子に聞いたら、メールがしつこいキモイ、変な贈り物や写メが送られてる、などの被害報告を受ける。

しばらくして、勘助は「やっぱりA子さんが自分にはふさわしい。A子さんに告白する」と言い出した。

B子はハッキリ拒絶するタイプだからそうなると思ってたよ…。

A子も次第に態度に出すようになっていて、勘助焦ってさらにまとわりつくようになる。

A子が気の毒だから引き離そうと思い、ほかの指導係(男)に相談すると、勘助がA子さん好きなことは知っていた。

どうも勘助、A子さんと付き合う前提で周りに話していたらしい。

勘助自体あまりにもアレなので皆話半分に聞いていたらしいけど、勘助を更生させるのにいいかもと

もっとオシャレに気を使えよ、とか(勘助は自分で服を買ったことがない、床屋も地元のいきつけ店しかいかない)

もっと女の子を丁重に扱えよ、とか(勘助は一斗缶でも女の子に持たせる)

もっと率先して働いていい所見せろとか(勘助は自分が楽するために面倒ごとを人に押し付ける、サボる)

色々アドバイスしていたそうだ。


勘助、そのアドバイスを受けて自信を持ってしまったんだそうな。

私が相談すると、やっぱり勘助の妄想なんだなと分かってくれたけど、自信を持った勘助から引き離すと、逆に行為がエスカレートする可能性があるから、告白させてA子に断ってもらい、はっきり終わらせようという話になった。

それで、勘助にはA子に告白するきっかけを作る、という口実で、A子にはきっぱり断ってもらう(勿論勘助からは守る)ことを伝えて飲み会を開いた。

勘助的にはA子さんを呼び出してプレゼントを渡し…というロマンチックプランがあったらしいけど、A子は二人きりになんてなりたくないし、勘助は話しかける時顔近いし目つき怖いしで、いざとなると拒否反応が出てしまい、諦めたほうがいいかなと思ったその時

我慢できなくなった勘助が飲み屋の中心で愛を叫んだ。

バイト仲間、飲み屋の店員、他の客含め周囲総ポカン。

静まる空気の中、一人A子が震える声で「無理です」と呟いた。


その後は勘助が阿鼻叫喚の大惨事。

勘助はバイト仲間の間で伝説となった。


結果的には勘助はもうA子にはまとわりつかなくなって本当に良かった。

勘助があまりにひどすぎて周りが全員協力モードだったから良かったけど、これが勘助が普通スペックで男性陣に信頼されてたら、囲い込まれてたのかなーと思うとちょっと怖い。


この勘助も親の寵愛受けてたよ。

上でも書いたけど服や身の回りのものは全部母親が送ってくれてたみたいだし。

バイト先には電話や手紙で「息子をよろしく」と季節の度に連絡が来てた。

こんな長く書いたのはじめてだしフェイクも入れてるから読みづらかったらごめん。