みき子と私子は大学の同じサークルの同期。みき子はかわいいモテ子さんでした。
なので、サークルに入ってあっというまに同期のだれが見てもイケメンなかず君と付き合い出しました。

対して私子は非モテのぱっとしない女子。ねたましい気持ちはありつつも、みき子ちょっと香ばしいところあるなと思いつつも、
みき子とかず君とは仲良しだったので二人のののろけとか相談に乗ったりしつつ楽しい大学生活を送っていました

そんな私子も大学一年の夏にやはり同じサークルの先輩と付き合うことになったのでした。ちなみに人生初彼氏なのでした。
みき子も結構喜んでくれたりして、これからますます楽しいサークルライフが待ってるぜひゃっほうな感じになっていたら。
私子はあっというまに先輩に振られてしまったのでした。付き合って半年ぐらいのことでした。
まだそんなに思い出はなかったにせよ、恋愛の経験がほぼなかった私子はそれはそれは落ち込みました。相手が同じサークルなこともあって辛さは通常の三倍。
そして振られた理由もよくわからない。

といった具合で人生初失恋をして胃をおかしくたり、ニキビだらけになっている頃、サークル内の人間関係もしっちゃかめっちゃかになっておりました。
原因はおもにみき子。詳細は割愛しますがみき子がかず君と付き合いながらも他の男ともふらふらしてサークルの風紀を乱してる、みたいなことでした。
私子は自分のことであっぷあっぷしてたので抗争にそんなに介入していなかったのですが、ある時みき子がやらかしの責任を私子に意味不明になすりつけてきました。
みき子を毛嫌いしていた他の同期Aがフォローしてくれたようですが。

そのときに激昂したAが私子に「みき子、私子が全部悪いんだ!ってまくしたててたよ。勿論そんなのウソにきまってるから説教したけど。
ていうか私子が振られたのだってみき子が余計なこと言ったからだしさー。」みたいなことを言いました。
詳しく聞いてみると、先輩と私子が付き合っていた当時、みき子はなにを思ったか先輩に私子のあまり知られたくない恥部
(ぼかしてすみません。法律に触れるものではないです。お調子者で失敗した話です。)をぺらぺらっとおしゃべりしたそうです。「付き合ってるんだから隠し事はよくないよね!」
らしいです。

それが原因で真面目な先輩はさめて私子は振られたもよう。そのぐらいでさめる男も男ですが。
まあ、みき子にそんな秘密をぺろっと見せた私子にも責任がありますが、そないなこと言わんでもええやろみき子さん、と思いました。
ていうか今でこそこんなテンションですが当時のお子様私子にしてみたらショックもショック。なんで振られたのかで一日中泣きながらもんもんとしまくりでしたから。
これ以外にもみき子が私子をいいスケープゴードにしようとしていた事実が次々発覚。私子覚醒。「いつか必ずみき子に三倍返しする。待ってろ。」
とひそかに決意。私子は基本的にあほですが、やられたことはいつまでも覚えてるタイプです。当たり前か

月日は流れ。大学一年だった我々も四年となり、もうすぐ卒業だねとか言ったりするように。
私子はみき子にされたことを忘れてみき子やかず君その他の同期と仲良く遊んだりしてました。
仕返しのチャンスが到来するまでは嫌なことを忘れて楽しくやろうと考えていました。

が、四年の秋頃に私子はまたしても男と別れました。
今度は二年以上付き合ったのでまた激しく落ち込みます。
そしてなんとみき子とかず君も破局。みき子が二股した挙句、かず君をぽいしたのです。
もっともつらいときにみき子の新彼とののろけをえんえんと聞かされる私子。
「こりゃあ一年以内にみき子は新彼とうまくいかなくなってかず君とより戻したいって言いだすだろうな。」とぼんやり思いました。

このときに私子は落ち込みついでに過去の身勝手なみき子の振る舞いを一気に思い出しました。
そして時は来たれりと思いました。

さっそくかず君の言い分なんかも聞いて今後の計画をたてました。ちなみにかず君はただのあほの子のイケメンのいいやつです。
私子の予測では、もうしばらくしたらみき子はかず君に粉かけるだろう、みき子にべたぼれ未練たらたらなかず君はほっといたら泥沼行きだろう、
そして仲が良い私子に相談してくるだろう、そこをかず君をたててあげながらうまく誘導してみき子から離れさせよう、みき子の思い通りになんかならない、でした。
はたしてこわいぐらいに予想通りの展開になりました。
みき子の誘惑を私子の励ましという名のマインドコントロールで一度撃退するとむしろかず君が私にべったりになり、
みき子はかず君に未練たらたらのあまり新彼によけい粗雑に扱われるように。それでも、みき子は大学卒業後出会いのない地味な生活を送っていたので
新彼に捨てられないように泣きながら我慢していました。私子はしっかりみき子の愚痴も聞いていました。

もちろんかず君とのやりとりは言いません。
みき子は将来への打算とかず君への思いで葛藤しているようでした。

その後も新彼に泣かされながらもしっかりとかず君に粉をかけ続けることも忘れないみき子。一度撃退するとみき子を華麗にスルーするかず君。
ますますかず君に情がわいて励ましかわいがる私子。
そして私子はタイミングを見計らって、大学卒業後も仲良くしていた共通の友人たちにみき子がいかに勝手か演説。もともとかず君を二股のはてにぽいしたこと
に対してすこし不快感を感じていた友人たちを煽りまくりました。私子vipperなので煽るのは得意。そして友人たちと「今後はみき子は絶対にかず君に近寄らせない
ようにしよう。」と合意に達しました。さらに我々もみき子とはしばらく距離おこうね、となります。どういうわけか、私子ありがとう!とまで言われました。

とどめにみき子と会って、「かず君は元気だよ。最近よくあそぶけど。いろいろ仕事の相談にも乗ってる。」みたいなことを話しました。その週にみき子が
新彼にひどいことされて、そのさびしさからかず君にまた電話して無視されたこともちゃんと知ってましたが。
みき子は富士山ぐらいにはプライドが高いので「そうなんだ。」としか言いませんでしたがその時のみき子の顔はなかなかに印象深いものでした。
あとになって友人の一人に「かず君と遊べていいな…。かず君やっぱりかっこいいもんね。やっぱりかず君にしとけばよかったな。」と言っていたそうな。
ちなみにみき子がかず君に未練たらたらなのを認めたのはその時が初めてでした。自分で振っといて勝手なもんですほんと。