高校の頃の話。
凄く気に入っていた限定モデルのエアフォースを学校で盗まれた。
ばあちゃんに貰ったお小遣いで買った物だったし、まずもう手に入らないから凄く落ち込んだけど、
僅かな望みにかけてオークションで探してみると、なんとそのモデルの中古品が出品されていた。


高校の頃の話。
凄く気に入っていた限定モデルのエアフォースを学校で盗まれた。
ばあちゃんに貰ったお小遣いで買った物だったし、まずもう手に入らないから凄く落ち込んだけど、
僅かな望みにかけてオークションで探してみると、なんとそのモデルの中古品が出品されていた。
まあ中古品でも良いかーと思って詳細を見てみると
どうも自分のものと皺のより方や傷の付いている箇所が被る。
それに加え、その出品者の評価には、中古のスニーカー(サイズがまちまち)
を幾つか出品した履歴があって、これは盗んだ奴が出品したのだとピンと来た俺は、どうやったらこいつを確実に捕まえられるか考えた末に、その商品を落札した。

すぐに相手からメールが来た(まだ取引ナビというものは無かった)
そのメールに記されていた名前は隣のクラスのDQNのものだった。

オークションの詳細ページと、写真と、メールをプリントアウトし、
親に事情を話して、父親と共に警察へ相談に向かった。
警官の方も初めの頃こそ「本当に君のなの?」や「勘違いだったら名誉毀損になっちゃうよ?」など消極的だったが、そのスニーカーがどれだけ珍しく、思い入れのあるものかということを丁寧に話したら、凄く親身になってくれた。
自分はスニーカーを買ったらすぐ、インソールの裏にイニシャルを書き入れることにしている、
ということも伝えておいた。
盗まれた日付、場所、スニーカーの特徴などを調書に書き終え、
そのまま俺、父、警察官二人でDQN宅へ。

自分は悪いことしてないのにパトカーに乗るのは初めてだったから緊張した。
応対したのはDQNの母だった。真面目そうな人だった。

「○○君にお話があります」と言われて、不可思議な顔をしていたから、
息子が盗んだ物をネットで売っているなんて知らなかったのだと思う。
で、そのDQN登場。警察と俺が家に来たのを見てすぐに勘づいたらしく、物凄く焦った顔をしていた。
家宅捜索するまでもなかった。俺のスニーカーはビニール袋に入れられてそいつの部屋の床に放置されていた。
DQNはうろたえながら「いや、これ俺のですけど?」とか「正月に買ったんですけど」みたいなことを言っていたが、
警察官が「ちょっと良いかな」と一言、インソールを引き出して裏を確認した。俺のイニシャルが入っていた。
DQNは観念したのかうなだれた顔をした。
「本当に君の?嘘付いても分かるからね?」と警察官がすごむと、素直に白状した。ちょっと涙目だった。

その後DQNはパトカーで連行された。
うろたえるDQN母に、「○○君が僕の靴を盗んでネットで売っていました。このことは学校にも報告します」
と言ってやると、泣きながら、「本当ですか?でも、学校にだけは言わないでください…」などと言い出したので、「嫌です」とだけ行ってDQN宅を後に。

後日証拠品として一旦押収されたスニーカーは警察から無事俺の元に返却され、DQNは退学処分となった。
最近同窓会があって、そのDQNが来てなかったことで思い出したから書いてみた。
どっかでチンピラでもやってるのかな。