うちは娘が二人いるんだが、男子を産まなかったことがトメは気に入らないみたいで
今からでも遅くないとか、男子を産まないうちは母親として不完全とか嫌味がひどい。
なので数年前から盆と正月以外は関わらないようにしていた。


先日、お盆で義実家に行ったところ、夫の従姉妹とそのご両親が10年ぶりぐらいに遊びに来ていた。
義実家は亡くなった義祖父が絶対ってお家で、その義祖父は娘の中ではここの伯母さんを
孫の中ではこの従姉妹ちゃんを一番可愛がっていた。
経済的にも一番裕福で、親戚にお小遣いを渡すこともしばしば。
なのでここのご家族は今でも義実家で強い立場を保っている。

お盆なので親戚が集まり、嫁一同は料理やお酌に追われていた。
従姉妹ちゃんは義実家ではお姫様扱いなので、手伝おうとはしてくれるが
他の親戚に無理やり座らされていた。

そこでお酌をしていた私にトメのいつもの嫌味が始まった。

「もうね、家の末の子の嫁なんか男を産まんまま歳とってね。
 ほんなこつ何を考えとるんやろうねえ。
 ○○家に嫁いできといてねえ。
 家の息子ちゃんはハンサムやし、誰でも嫁にとれたもんを
 こんな出来そこないをもらってしもうてからに。」
 
トメは普段から声が大きいので少し離れて座っていた従姉妹ちゃんにも聞こえたらしい。
その後も罵り続けるトメ。

「この料理もまずいやろ?
 今からでも離婚して、もっと気立てがよくて男ん子を産める嫁をもらってくれんやろかねえ。」

と言った瞬間、箸がトメ目がけて飛んでった。
同時に怒鳴り声が聞こえた。

「やかましいわ!!
 嫌なら食うな!!いい歳して太りすぎなんじゃ!!
 ご飯も食べんと皆の為に動いてくれとる嫁子ちゃんにどういう口のきき方じゃ!!
 あんたみたいな姑がおる家に嫁いでくれただけ死ぬ程感謝してもええくらいなのに
 寝ぼけた事を言うな!!クソが!!」

従姉妹ちゃんだった。
いつまでも子供と思っていた従姉妹ちゃんがドスのきいた声で怒鳴ったので、
親戚一同ぽかん。

「大体人様が大事に育てたお嬢さんを出来そこないとかよう言えるわ。
 自分とこの息子はそんなに出来がええんか。
 甘やかし過ぎて、高校もろくに行かんとギリギリで卒業して。
 今だってそんなに稼いでないやろうが!!
 我がとこの息子が子供3人育てられるだけの稼ぎもないのに
 寝ぼけたこと言うなやババア!!」

従姉妹ちゃんは結構な高学でコネを全部断って自力で某大手外資系企業に入った努力の子。
そんな子に言われては言い返せないトメ。
ふぁびょって「子供の癖に目上の人間に向かって」だの「人んちの家庭のことに口出すな」
だのと喚いていたが、
「年上と目上は違う。」
「息子のとこも別の家庭。勘違いすんな。」
と半笑いでpgrされた。

従姉妹ちゃん勢いもそのままに旦那にも怒鳴り始める。

「旦那ちゃんもちょっと考えぇや。
 一番先にあんたが怒らんといけんとこやのに。
 身内からも守れんなら嫁なんか貰うなダメ男が。
 他のにいちゃん達も一緒ぞ!!あほ!!」

旦那一同箸を置いて俯いてたw
ここで従姉妹ちゃんがどこかに消えた。

席が離れていたので引きとめることもできないトメ。
今度は従姉妹ちゃんのご両親に喚き始めた。

トメ「あんた、自分の娘がこんなこつ言いよるのに何も言わんのかね!!」

伯母さん
「良い子に育って良かった。」

伯父さん
「お母さん、わしも今そう思っとったとこよ。
人の気持ちを考えられて、自分の意見をハッキリ言える子なんか中々おらんぞ。
育て方が良かったの。」

楽しそうに言う二人にトメはぽかん、親戚一同大爆笑。
ここで従姉妹ちゃん車のキーを持って戻ってくる。

「嫁子ちゃん達とご飯行ってくるわー。おばちゃんと食べるとご飯まずいし。
 おいちゃん達のお酌はうちのおかんでええやろ?
 まだまだ綺麗よ。」
と、他の親戚達の笑いもとりつつ嫁一同を連れ出す従姉妹ちゃん。
「帰って来ても家にはいれんぞ!!」と喚くトメに「この家は父さんが建てた家。あんたが決めることじゃない。」
と伯母さんがピシャリと言い返してた。

「ならホテルにでも泊まるわ。後片付け自分でせえよ。自分の家庭なんじゃけ。」
と従姉妹ちゃんは笑ってた。

この後ご飯を食べながら、これから立場が悪くなったらごめんと従姉妹ちゃんに謝られて
嫁一同泣きながらお礼を言ったよ。
皆何かしらひどいこと言われてたし。

次の日、従姉妹ちゃんが伯父さんに〆られたと聞いて本当に申し訳なかった。