友人であるA男とB子夫婦の修羅場


A男は母親は昔から近所でも有名なちょっとおかしなオバサンで、異常な負けず嫌いというか
西に料理上手と評判の奥さんがいれば「私の方が上手いからね!」と無理やりマズメシをおそそわけしに走り


東に美人と評判の奥さんがいれば「私の方がキレイよ!」とそこんちの旦那に言い寄り
相手が幼稚園児であっても手芸が上手いと聞けば
「何それリリアン上手いの自慢なの?でも私の方がも〜〜っと上手いから!」
って張り合ってくるという厄介な人だった
A男とA男の親父はいつもそれを止める役で「おかんが恥ずかしい」とよくA男は愚痴っていた


そのA男がなぜか結婚した途端おかんそっくりになった
張り合う相手は嫁さん
嫁さん相手に「俺の方が稼ぎがいいから!」(僅差でAが上らしい。でも今後逆転する可能性大)
「俺の方が料理うまいから!きれい好きだから!マメだから!」
「俺はお前の両親ともうまくやれる!それに比べておまえは全然ダメ」(あのオバハンと仲良くやれる奴なんていねー)
とことあるごとにダメ出しするようになったらしい。


最初は家の中でだけやってたらしいんだがそのうち俺らの前でも「お前は俺に比べてこんなにダメだ!」とやるようになり
みんなで「そういうのはやめろ」「おまえが嫌がってたお前のおかんみたいになってるぞ」と諭したんだが
Aはエスカレートしていくばかりだった
B子が言うには子ども(娘)に対して「お父さんの方が好きだよな〜お父さんの方がこんなにいいよな〜なんでもできるしな〜
それに比べてお母さんは料理も下手だし頭もバカだしなんにもできないよな〜」と言い聞かすのが一番嫌だったとか


ある日B子のブチギレタイムが来た
B子実家で漬けて樽ごともらってきたタクアンにA男がダメ出し
「お前んちは家族ぐるみでダメだな〜俺が漬けた方が絶対美味いぞ。娘にこんなマズいもの食わせるなんて云々かんぬん」
といつものように気持ちよくA男が説教モードに入っていると、
そこに堪忍袋の切れたB子がタクアン樽をドーーーーン!!とひっくり返した


B子いわく「タクアンはすべて樽から出して刻んで皿に盛って、汁だけの樽をひっくり返したんだから自分は冷静だった」
らしいが畳はタクアンの残り汁でぐっちゃぐちゃ
唖然とするA男を残し娘を連れてB子は実家直行


その後A男からヘルプメールが来て行ってみたらタクアン汁が染みて暑さに蒸らされた(夏だった)畳は
えもいわれぬ異臭を放っており、玄関開けただけでムっとくるくらいだった
蝿も寄ってきてた
「嫁さんに土下座しろ」とだけ助言し俺らは退散
A男は畳を変えることも思いつかずさらにタクアン畳を熟成させ、近隣から苦情&大家から弁償コールを浴びたという
B子はその後タクアン家に戻ることなく離婚


離婚後A男はもとのA男に戻ったが
また結婚するとああなるのかな〜と思って誰も再婚をすすめない。