学生時代、居酒屋でバイトを始めたばかりの頃、バイト仲間のAさんと仲良くなった。
Aさんは背が低く、私より2つ上だったが10代に見える超童顔のアイドル顔。
w-○nds.のリーダー激似のいわゆる美少年タイプだった。

その上バイトリーダー(店長代理)で仕事も接客も完璧にこなし、いつもにこにこ笑顔。
そのため男女問わずお客に大人気で、Aさんファンはとても多かった。
中でも常連客の主婦B子は凄まじかった。

B子は毎週決まった曜日、決まった時間に主婦仲間と子どもたち(乳児から小学校低学年)をつれて
10人から20人ほどの宴会をひらき大騒ぎをしている常連客。
B子はAさんが大好きで、B子がきたら絶対Aさんがおしぼりを持って席までご案内する、
という暗黙のルールがいつのまにかできあがっているほどだった。
そのうちB子は週の半分は仲間と店に来るようになり、時間も夕食どきから深夜、朝方までばらばら。
もちろん毎回Aさんがご案内し、Aさんご指名で注文をとり、暇があればAさんと話したがった。
当時お店には若い女性店員が私しかおらず男性店員ばかり、
しかも若くてかっこいい子が多かったのでB子はお店をとても気に入っていた。

そのうちB子はエスカレートしていき、バイト仲間の何人かがB子から日常的にセクハラにあうように。
みんなB子をめんどくさがり嫌がっていた。
私は初対面のときに「Aくんとらないでね☆」と牽制wされていたが、
すぐに長く付き合っている彼氏のことを話したのでB子の警戒もとけ、
明るくフレンドリーなB子とは親しくなり、気兼ねせず話せる楽な常連客だと認識していた。

ある日休憩室でAさんと2人きりに。
Aさんとは地元が同じなことと、私が新人ということでなにかと面倒を見てもらい、
先輩後輩という形で仲良くなっていた。
Aさんと話していると、B子にストラップをもらったと見せられた。


ストラップは某ネズミーのつがいのもので、男の片割れにAさんのイニシャル、
女の片割れにB子のイニシャルが入ったカップル仕様のもの。
これは…wwと思いAさんの話を聞いてみると
・B子から毎日はーと満載のラブメールがくること
・ストラップは肌身離さず身に付けるように言われていること
・AさんとB子は運命の相手であると言われていること
を知った。もちろん私はぽかーん(゚Д゚)
B子とメールしてるなんて初めて知ったし、
ただの常連客だと思っていたので2人の進展ぶり?に心底驚いた。
ただAさんはぼけてるのか何なのか、私が指摘するまで
ストラップについたイニシャルに気付かず、つがいの意味を理解していなかった。
ストラップも店に置きっぱなし(放置)なので、B子に「ちゃんと持ってるの!?」と言われればすぐにご提示。
メールはAさんのシフト確認や宴会予約もよくあったので「営業。」と言い切り毎日対応。
そつなくB子の要求に応じるAさんが、正直よくわからなかった。


後日バイトの何人かで飲み会をすることに。
当日になるとドタキャン、遅刻者が続出し、時間通りに集合したのはその日休みの私とAさんだけだった。
まぁ毎回始まりはこんな感じなので特に気にせず2人でお店へ。
お店はバイト仲間のたまり場でよく行く場所であり、店員さんとも仲良し。
くつろぎながらAさんとのんびり飲みはじめたときだった。
「あれ!Aくぅん?!」
聞き覚えのある声に振り返ると、なんとB子と主婦仲間が!
あれ、えー、と驚きつつ、偶然ですねーと挨拶すると突然B子が発狂した。
もう「うぎゃぁぁぁぁあ」と雄叫びをあげて鞄をばんばん椅子に打ち付けた。

私もAさんも店員も主婦仲間も周りの客もみんなでぽかーん(゚Д゚)
時間が止まった。
B子はものすごい剣幕で私とAさんのテーブルを蹴りつけ、「どういうことよ!」と絶叫した。

今日はAくん仕事休みって言ってた→「みんなで」飲み会って言った
→だからAくんがよく行くって言ってたこの店にきた
→Aくんに会えればいいなと思った(つまり全くの偶然ではなかった)
→そしたら女と2人きりだった!
ふざけんなゴルァ!

ということをものすごい勢いで怒鳴るわめく叫ぶ。もうほんとに凄まじかった。
店員さんも若い女性だったせいかおびえて遠巻きにしてる。
その時は本当にどうしたらいいかわからず、私は驚き固まってしまった。
ただAさんはすごく冷静で、B子がひとしきり叫び終わったあと
落ち着いてとか騒ぐと迷惑とかそんな言葉でB子を黙らせた。
B子もおとなしくなると静かに泣きはじめ、ごめんなさいと小さく謝った。
その言葉で周りの時間が再び動き、店が一気にざわついた。
Aさんは飲み会にこれからくるメンバーの名前をあげて2人きりじゃないことを説明、
主婦仲間もB子を慰めはじめ、Aさんの説明を同じように繰り返してなだめた。
そのうちB子は納得したのか「私、大事に思われてるんだよね」と謎の脳内変換。
私は、この人、Aさんと付き合ってるつもりなんだ、とようやく理解した。
結局周りに連れられるままB子はすぐにお店を出ていった。


この間、私はなんにもできず本当に一言も何も言えなかった。
Aさんは普段と変わらずに大丈夫?と私を心配してくれ、その後普通に飲み明かしてました。

ネタみたいだがほんとの話。
後日B子はいつも通りお店にきて、何事もなかったように話しかけてきたのでそれが一番恐かったです…。

ちなみにAさんはその後別件でお店を異動することになったんですが、
B子とはずっと連絡をとり続け、新しい店の常連客として連れていってしまいました。
Aさんは本気でB子を金をよく遣う常連客としか見ておらず、もうおまえらホストか何かと。