小6の時に川で溺れかけたのが、修羅場だったな。 
子どもだけ5人で、自転車に乗って片道90分ほど離れた、山奥を流れる川に到着。 
みんなメダカを取ったり、石を並べてダム作ったりしていた。 

自分もみんなと遊んでいたんだが、泳ぐのが好きで自信もあったから、 
短時間でいいから思いきり泳ぎたくなった。 
カーブがいくつもあり、うねる川の対岸は、茂みになっていて、そっちへちょっと行ってみたくもなった。 
そうしてみんなから離れ、対岸に向けて泳ぎ始めたんだけど、 
2/3ほど進んだところで、水の流れが急に速くなり一気に身体が持って行かれた。 


マズいと思って足を着こうとしたら、足が着かない。 
それどころか、足を着こうとした為に身体が沈み、川底に引きずり込まれる形になった。 
手を伸ばしても水面に手が届かない位置まで沈み、川底にも足は着かないまま、すごい速さで流されていく。 
必死に水面に顔を出そうと泳ぐんだが、何故だか浮上できない。 
浅瀬へたどり着こうとしても進まない。 
こりゃあがいても無駄だと諦めて、 
川の力に逆らわずに流されながら、でも浅瀬に近づくチャンスをうかがって、なんとか河原に戻れた。 
上がった場所からは友だちの姿が見えず声も聞こえず、友だちを探して上流に向かって歩いている間、 
実は自分は死んでしまっていて、ここは賽の河原なんじゃないかと思え恐ろしかった。