ジョージ:仮名。白人イケメン、20代半ば。 
三十子:30代半ば、美人。 
事務子:22歳女子。 
コネ子:20代後半。コネ入社した他者のお偉いさんの娘。 
局子:30代後半、バツイチ。 


ジョージが業務の都合で来日し、うちの会社に通うことになって女子一同ヒートアップ。 
白人三高イケメン、たどたどしい日本語も好感触。 

特にアタックが激しいのは事務子、休みのたびに日本を案内すると誘いまくり。 
しかしジョージはそれを断り、三十子さんに案内をお願いした。 
一度は案内した(事務子いわくデートした)はずなので、粗相があったかと気になり理由を聞いた。 
「事務子さんに質問してもワカラナイばかりです、彼女は日本人ですか?」 

ジョージ、日本通で歴史や伝統芸能が大好き。 
東京ディズニーランド行きましょうとか言われても嬉しくないし、どうして神社は玉砂利なのか、 
京都は道がまっすぐなのに東京は違うのか、薪能を見たいがどこに行けばいいのかなど、 
聞けばその場で答えが返ってくる三十子さんの方が気に入るのは当たり前。 
事務子の箸の使い方が汚く、一緒に食事をするのも苦痛だと昼食も他の人と食べていた。 

そのうちジョージ、三十子に本気で惚れてしまった。 
アタックするが三十子はスルー。 
そのつれなさに刺激されたのか、寝ても覚めても三十子ラヴな状態に。

事務子はこれが面白くなく、周囲に三十子の悪い噂を流し、シカトするなど嫌がらせを始める。 
三十子困り果てて表情が暗くなり、それもまたかわいそうで魅力的とジョージが悶える。 
それにムカついた事務子がさらに三十子に嫌がらせ。 
三十子やつれる、それがまた守ってあげたいとジョージが以下略。 

三十子の上司が真っ先に事態を重く見て、人事関係者に怒鳴り込む。 
「三十子がいなくなったら、俺の仕事が止まるんだよ!なんとかしろ!」 
だからってジョージに「社内恋愛禁止」とも言えない、どうしたらいいんだと思ってると 
「じゃあ私が事務子さんとジョージさんと話をつけます」とコネ子が頼もしい事を言う。 
しかしこのコネ子、コネで入っただけのことはあり仕事しない。 
急にこんなこと言い出すのは変だなと思い、自分も同席することにした。 
コネ子は「一人で大丈夫です」とかゴチャゴチャ言ってたが、無理やり押して入った。 

店の個室借りて、まずはジョージと話し合い。 
「ジョージは三十子へのアタックを社外のみにする、事務子は三十子をシカトしない」 
ジョージは「そんなことになっていたとは知らなかった、三十子に申し訳ない」としょんぼり。 
今後は社外でのみアタックし、社内では彼女へのアクションを控えるということで落ち着いた。 

落ち着いたところでコネ子が動いた。 
「三十子さんて、ジョージさんより10歳以上年上じゃないですか。聞いてません?だまされてません?」 
ジョージびっくり、自分と同い年だと思っていたらしい。 
「あ、やっぱり知らないんですね。三十子さんもひどいですね、もっと早く言えばこんなことにならなかったんですよ」 
コネ子のしたいことが見えたが、これでジョージの恋心が終われば自分も楽になると思ったので黙っていた。

しかしジョージの反応はコネ子の予想外だった。 
「それでも彼女が好きなんです、年齢なんてどうでもいい」 
コネ子は「でもオバサンなんですよ!?」と慌て出し、さすがにこちらもムカついたので、 
「年齢とか本人同士の問題だから、あと気安くオバサンとか言うな、見下してんのか」と叱責。 
ジョージもコネ子を嫌なものを見る目で見ていた、コネ子はその後無言になり、解散したらすぐ帰った。


次は事務子。 
話をつけますと言っていたコネ子が「おなか痛くて無理」と欠席したので、三十子の上司を捕まえて話し合い。 
「三十子への態度がひどく、マイナスポイントをつけざるを得ない。事情があれば聞こう」 
これに対する事務子の言い分は、三十子は年齢を言わずジョージを騙している、そんな人とは仕事したくない。 

「ジョージは三十子の年齢を知っても、彼女を慕っている。年齢は関係ないそうだ、だからもういじめはやめなさい」 
と上司が説明したら事務子は泣き出した。 

白馬の王子様とラブラブという、子供からの夢が叶いそうだったのに、三十子に邪魔されたと思った。 
周囲の女子社員も「事務子さんかわいいから、ジョージもぜったい好きになってくれるよ」とそそのかした。 
でもジョージは三十子が好きになり、自分を応援してた人もジョージを応援するようになり、裏切られた。 
三十子みたいなオバサンが、自分よりジョージに好かれるなんておかしいと思った。 
ジョージに好かれない理由が、自分にあるなんて思ってなかった。 
だって今までの彼氏は、日本文化とか関係なかったし、今の彼だってそんな話しない。 
彼氏に浮気を疑われて、イライラして三十子に八つ当たりしてた。 

お前二股かよ。そりゃ疑われるわ。 

それから2時間かけて二人がかりでなだめすかし、ちょっと脅したり、慰めたりして落ち着かせた。 
結論として、「ジョージはもてるから、若くて可愛いんじゃアドバンテージにならん。教養を身につけよう、な」で終わった。 

しかし修羅場はこれからだった。

話をつけた翌週、三十子が上司にメールのプリントアウトしたのを持ってきた。 
上司によればその時の顔色は真っ青で、目が釣り上がって美人なだけに壮絶怖かったそうだ。 
メールはフリメからで、「白人大好き○○女」とか、かなり酷いセクハラメールが10枚くらい。 
三十子のアイコラもあった。白人男優との絡み画像の、首だけ無理やり挿げ替えてある奴。 

「そろそろ裁判沙汰になりますので、よろしくお願いします」と、目だけ笑ってない三十子。 

これはしゃれにならんと、犯人探しをすることに。 
しかしすぐに犯人が自爆。 
間違えて自分のメールアドレスからセクハラメールを送ってた。 

犯人は局子。 

さっそく社内で取り調べ開始。 
最初のうちこそ「誰かにはめられた」とか言ってたが、すぐに「社内の和を乱す三十子が許せない」と涙ながらに話す。 

しかし同時進行でジョージには局子からお誘いがあったことを確認済み。 

局子はジョージとコネ子を交えた話し合いの後、コネ子から話し合いの内容を聞いて、 
「じゃあ三十子より厳しい家で育てられたお嬢様で女らしい私のほうがいいってことね!」と頭おかしい発想に至った。 
そしてジョージに「一緒に映画に行きましょう、お友達からつきあいましょう」とアタックしたが、断られたと。 

つい「厳しい家って、どんな家ですか」と聞いたら、「門限が9時だったり、躾が厳しかった」とか言われて一同失笑。 
門限あるくらい普通だろう、それに躾が厳しい家の娘がエックス箸したりガニマタ歩きを許すかよ。 

そんな話の最中に、コネ子は「お前話し合いの内容人に漏らしたのか!」と先輩に怒られて逆ギレするし、 
局子は「三十子さんは上司にかわいがられてずるい、あたしだってがんばってるのに認めてもらえない」と泣き出すし、 
三十子の上司は怒りの矛先がジョージに向いて、あいつが元凶だから帰せとキレ出すし、もう修羅場。 

ところで局子ってググることもできないパソコンオンチなのに、どうやってコラ作ったん? 

答えは事務子の仕業でした。

事務子も修羅場に追加され、コネ子事務子が罵り合い、局子はひたすら泣き(でも涙出てないぞお前)、 
上司同士がお互いの管理不行き届きを責め合い、3時間くらいで全員疲労して解散。 

三十子とジョージを呼べという声もあったが、絶対血を見ると思ったので必死に止めたので、事なきを得た。 


結果。 

コネ子、親に話が流れ、円満にクビ。親はうちの社長に平謝り。反省無く三十子への謝罪は親からのみ。 
事務子、自主退職。三十子へは書面で謝罪したが、「悪いと思ってるけどでもあんたもどうかと思う」的な内容のため握り潰した。 
局子、自主退職勧められたがしないと言い張り、支店に島流し。 

局子は弁護士の「ああいうタイプは追い詰めると三十子さんが危険です」というアドバイスに従い、クビにはしなかった。 

三十子、転職しようとしてたが直属上司が「俺の、俺の仕事がぁぁ」と泣いて止めたので残留。 
ジョージ、もうすぐプロジェクトが終わって帰国する。その前に三十子にプロポーズした。 

ジョージ「本気なんです!」 
三十子「気持ちは嬉しいけどダメです、だって私……オタクなんです!」 
ジョージ「な、なんだってーーーーー!?       ……ぼくもだよ」 
三十子「( ゜□ ゜)」

二人ともゲームオタクだったそうです。 
ジョージが日本好きなのも、三十子が男性と縁遠いのも、ゲームが原因だったと。 
オタだとわかって、女子社員の多くも好意は持ちつつ「ジョージは観賞用」となったようです。 
女子社員からのお誘いが急に減ったと聞いています。 
他のピザなオタは「俺よりオタなのにイケメンは得だ!」と憤慨している。 

あと三十子上司もいい年してゲーオタなので、そりゃ三十子と仲良しなわけだ。 
不倫疑われてたけど、それも解消された。 
そして隠れゲーオタ女子が「じつは」「実は私も」と次カミングアウトし出した。 
ちょっと話題についていけん。 

三十子とジョージは、休憩時間によくわからない単語を並べてマシンガントークしてます。 
まぁくっつくんじゃないですかね。