家族で海水浴に行ったときのこと。

海の水で壊れたら困るので、ビデオカメラは車に置いてままにしていたんだけど、子供があまりにも喜んでいる様子に、ちょっとだけでも録りたいなぁと車に取りに戻った。

駐車場は階段やスロープを20メートル位上ったところにあり、戻ってくる最中、海水浴場の人たちの様子がとてもよく見えた。


その海水浴場の名物イベントは、いわゆる「もちまき」の様に、海産物を蒔いてお客さんに拾わせてくれるというものだったのだけれど、それがもうすぐ始まりそうだという頃合いで、夫と子供が手をつないで開始を待っているのも見えた。

階段の残りが結構あって、間に合わないかもと思い、その場所から望遠モードで録ることにした。

開始と同時に阿鼻叫喚の地獄絵図になって、海産物はすぐ無くなってしまうんだけど、夫と子供は運良くウニを4つほど拾うことが出来たようだった。

その他にも見逃されているやつがないかなぁと、子供にウニの入った網の袋を持たせて安全なところで待たせ、浜から1~2メートル位のところを探す夫。

ウニのとげをこわごわしながらもつんつんしようとしている子供。

そんな様子を録っていたら、子供に近づく女性が。

あ…と思った瞬間、子供の手から網の袋をもぎ取って行った。


慌てて階段をかけ下りて駆け付けると、すぐに気づいて引き留めた夫を罵りまくっている女性。

「言いがかりをつけるな、これは自分で拾った物だ」

と主張しているようだったので、ビデオカメラを出して

「階段から録っていましたよ、一部始終。」

と言うと、顔を真っ赤にして怒り出し

「子供連れてるのに4つもとれるなんて卑怯。
私は親に子供見て貰っててもとれなかったんだからおかしい。
子供連れてたら本当は取れなかったはずなんだからなくたっていいはず。
とにかくよこせ!」

と意味不明な議論を展開。

誰かが呼んだのか、係員が走ってきたのが見えたとたん、

「こんな物!!」

と網を投げ捨てて、ウニを思いっきり踏みつけた!

ところが、ビーチサンダルだったから脱げやすかったのか、勢いが余ったのか、半分くらいカカトが脱げた状態で思いっきり踏んでしまい

「ぎいいいぃいいいいやー」

っと叫ぶ泥ママ。

とりあえず救護室に運ばれていきました。


話を聞いてやってきた泥ママのご両親が謝ってくれましたが、本人があやまりに来ることはありませんでした。

ウニのトゲって皮膚の中でぼろぼろに折れちゃうから抜けないので、手に負えないと判断して病院に運ばれたのかもしれません。

かなり思いっきり踏んでたので。

その後、係員の人に手招きされてついて行くと、

「嫌な思いをしたねぇ、これ持ってってねぇ」

とウニをいっぱい詰めてくれようとする。

夫がとったのは4つだから、それ以上は貰えないと言ったら、

「正直でいいねぇ」

と余計に持たせてくれようとする。

それでも悪いと言ったら「んじゃ、こっちだ」と、運ぶ途中やいけすの中で死んだり、弱って売り物にならないあわび

(漁師の人はおちあわびという。バター焼きしたりして普通に食べれられる。)

を小さいビニールにごっそり詰めてくれた。

ビデオカメラ様々な出来事でした。