当時私はある音楽系部の副部長で(部員多し、男女比4:6くらい)、同じ部に彼氏もいました。
彼氏といってもまだキスもしてなくて
寒い日に彼のポケットに手を入れさせてもらい、ああこれってラブラブ!?と思うような
今思えばたわいない付き合いでした。


そんなある日、同じ部の仲のいい子にこっそり言われたのが
「ヤリマンだって噂流れてるけど、だれかに恨まれたりしてるの?…」
というものでした。
驚いて「ハァ?」というと携帯を見せてくれました。
いわゆるチェーンメールみたいな感じで、私の名前とクラスと何部かが打ってあって
「こいつはヤリマン。呪われたくなかったらこのメールを5人に回して~」
という文面でした。

気持わるっ!と思い、彼氏に相談すると
「それは悪質だ、顧問のA先生(既婚・男)に報告しといてやる」と言われ
数日後「あとはオレとA先生にまかせて」と彼が笑顔でおkサイン。
ありがとう任せるねとお礼を言いました。

しかしいっこうにやまないチェーンメール。
私がブスだバカだヤリマンだくらいならまだ良かったんだが
病気の予後が悪くて入退院をくりかえしてるうちの母を「エイズでもうすぐ死ぬ」と
いうメールを流されたのはさすがにブチっときました。

部のみんなも真剣に怒ってくれ、こうなったら一人一人たどっていって
元メールを探そう!と働きかけてくれました。
私の母が具合が悪いことを知ってるんだから、私たちからそう遠くない人物だとわかったし。

そんな矢先A先生に声をかけられました。
「最近元気ないけどどうした」
私が「彼男からも聞いてるでしょうけど例のチェーンメールがエスカレートして…」と答えると
A先生「は?なにそれ?」
A先生は彼男から何も聞かされていないらしかった。

家に帰ってからメールで彼男に問いただしました。
彼男「オレは確かに報告した。しらをきるなんてA先生があやしい」と言い出す。
でもA先生に、私をおとしいれて得することがあるとは思えない。
彼男「そういえば前からおまえを見る目がいやらしかった。
A先生はおまえを孤立させて弱ったところを口説き落そうとしてるんだ」と言い張る彼。
えーそれはないよ…と思ったが
彼男のことが好きだったし疑いたくなかったのでその日はうやむやに終わらせてしまった。

数日後、新たなチェーンメールが回りました。
内容は、私とA先生が不倫でヤリまくっているというもの。
その瞬間、直感的に「やっぱり嘘ついてたのは彼男だ!」ってわかった。

あのやりとりの直後、すぐ私とA先生の話題になるとか彼男しか考え付かないことでした。
それまでは具体的な名前はまったく出てなかったのに
彼男とA先生の話をしたすぐあとに、A先生が名指しにされるのは不自然すぎる。

なので今度は彼男を飛ばして、部長はじめ口の堅い信用できる女子部員にだけ打ち明けました。
みんな「彼男がそんな人とは思わないけど…」
と言いつつ、彼男には黙って、チェーンメールの大元を探り続けると言ってくれました。

そして迷ったけど、やっぱりA先生が悪い人とは思えなかったので
A先生にも相談した。
当時娘さんが生まれたばかりだったらしいA先生はメールを見ると激怒して
「これは悪ふざけの範疇を超えてる。学校側でも動くよう働きかけてみる」と約束してくれました。

彼男には「A先生が動いてくれるって」とメール。
思ったとおり、チェーンメールはぴたっとやみました。



私のいないところで、男子部員の一人が
彼男に「おまえが流したんだろ?」と問い詰め
携帯を出させて中を見るという事件も起こりましたが
彼男の携帯にはチェーンメールを発信した履歴も、受信した履歴もなかったそうです。
消したに決まってる、と皆言ってましたが確たる証拠もないし
何より彼男にそこまで恨まれるようなことをした覚えがありませんでした。

消化不良のまま半月くらい過ぎました。


解決したのは偶然でした。
うちの部は演奏をするので録音機器が置いてあります。
それを作動させたまま止めるのを忘れてみんな帰りじたくをして
着替えとかの生活音がえんえん録音される…というのがよくありました。

その残された生活音を後輩が「先輩たちが卒業するとき、ドッキリとして聞かせてやろう」と
ずっと編集していたらしく、その過程で問題の音声が出てきたそうです。

それは彼男と、現国のB先生(女・既婚)の濡れ場でした…。

まずB先生による私の悪口。
それに賛成する彼男。
B先生「あんな子より私の方が好きよね?ね?」
彼男「もちろんです。あんなやつ、全然やらせてくれないし家は貧乏だし…(以下えんえん悪口)」
B「私の方が大人だしやらせてあげるし、私と付き合えて嬉しいでしょ?」
彼「先生は大人だしやらせてくれるしあいつとぜんぜん違います~…」

(以下えんえん二人で私の悪口&エッチなあえぎ声)

なんていうか、二人で私を悪く言うことでなぜか性的に盛り上がってるらしかったです。
完全に私はただのダシ。
二人がエッチをして興奮するための道具に勝手に使われてる?って感じでした。
聞いてる間、部員みんなが「しーーーーーん…」と静まりかえってました。
なんて言ったらいいかわからなかった。

その後、録音部分をA先生に提出。
万が一A先生が握りつぶすことを想定してコピーしまくって何人かに分けて保管しておいてもらったけど
A先生はちゃんとした人で、校長までしっかり話がいった(らしい)。


細かい処分どうこうはよくわかりませんが、
B先生は学校に来なくなりました。

メールの発信元はB先生だったらしいです。A先生から聞いたことだから確かだと思います。
でも表ざたにはなりませんでした。
もちろん新聞にも載らなかったし、生徒の間でヒソヒソ話になっただけ。
B先生の正確な年齢は知らないけどたぶん40代前半。
子供もいたはずです。

彼男もその後学校には来ませんでした。
ご両親が高そうなお菓子持って部室に来たけど
べつにご両親が悪いわけじゃないし、みんな困ってた。

一回だけ「ほんとに好きだったのはきみ。きみともっと思い出作りたかった」って
メールが来たけど、返事しなかったらそれっきりでした。
彼男はそのまま復学しませんでした。
今どうしてるかも謎。