当時の私にとっては自分が世界で一番不幸になった気分だった。

私子 婚約したばかり
婚約者 私の婚約相手
友子 高校時代からの友人
友美 大学時代からの友人

卒業して就職して、大学時代からの彼氏と婚約してと順風満帆だった。
正式に婚約したので友人たちに婚約者を紹介した。
友美は大学時代から一緒だったので同じ大学出身の婚約者のことも良く知ってる。

友子は婚約者のことを知ってはいたけどフルネームと顔は知らなかった。
友子と友美は私を通して知り合い、3人で遊びに行ったり、時には2人で行くこともあるくらい親しくなってた。
友子には彼氏がいてどうも浮気してるらしいという話は聞いてた。
浮気なのか二股なのか分からないけど、そんな男は止めなよとか話してた。
そして友子のその彼氏が浮気どころか相手の女と婚約してしまったようだった。
ちょうど私が婚約した時期と同じだったことから、幸せ中の私子に言うのは幸せに水を差すからと友美も友子も私には言わなかった。
私は呑気に、友子も浮気な彼氏と別れて私の婚約者みたいな誠実な人と付き合えばいいのにとお花畑なことを考えてた。
ある日、私の婚約者を友子と友美に紹介しようとお店で待ち合わせた。
先に友子友美がいて、私と婚約者が席に近づいた。 


すると顔を見たとたん友子が「あ!」婚約者が「え?」と言って婚約者がいきなりUターンして走り去って行ってしまった。
婚約者を追いかけて捕まえたら婚約者が「どこまで根性悪いんだよ。こんな卑怯な真似すんなよ。ストレートに言やいいだろ」と言いだした。
その後着信拒否されてしまった。
ワケが分からず友子と友美のところに行くと、いきなり友子に最低だの泥棒だの罵られた。
友美がなだめすかして話を聞くと、
私と婚約者が付き合う→その約一カ月後くらいに友子と婚約者が付き合う→友子、自分が二股されてることに気づく
→二股相手が分からないまま友美や私に愚痴を言いつつ付き合う→二股を知らない私と婚約者が正式に婚約→
友子友美に婚約者を紹介→婚約者逃走
こんな感じだった。
悪いのは二股かけた婚約者で私子は悪く無いと友美は言ってくれたけど、友子はなぜか私にすごく怒った。
怒る理由は、一人だけ何も知らずに幸せだなんて許せない、友子の苦しみの上に婚約を成立させたというものだった。


婚約者が友子を選ばなかった理由は、浮気を知って怒ったりして男を問い詰めて嫌がられたから。
私子が選ばれたのは何も知らずにいとこどりしたから、苦しんだ側が選ばれなくて苦労もしてない人間が選ばれるなんて不公平とかいろいろ言われた。
友美が必死になだめたり説得してくれたりしたけど、友子はずっと私を
「人の不幸の上に胡坐をかいている」と言い続けた。
半日くらいずっと3人で話し合ったけれど平行線だった。
もしかしたら元々体調不良だったのかもしれないけど、家に帰りついたら何故か背骨とか脇の骨が痛くて目も乾燥した感じで息するのが痛かった。
携帯もずっと着信拒否されてて、家電からかけても婚約者の携帯はそちらも着信拒否だった。
結納も終わってたしもういちど両家で食事会という話もあるのでしばらく様子見という時間の余裕も無かった。
仕方ないので両親に報告した。 


婚約者の言い分を聞こうかということで、私父の携帯から父が電話するもすぐに切られて着信拒否。
どうしようもないので婚約者父に私父が電話した。
結果婚約者の方から婚約破棄を言ってきたけど、言い分は「卑怯なやり方で話し合いもせずもう一人の彼女と抜き打ちで会わせて大ごとにする攻撃的な女とは結婚できない」だった。
私は二股されてたことは知らなかったこと、単に友人に紹介しようとしただけだったことを伝えた。
そのあとで、「本命はお前だから。友子がしつこいから仕方なく」と婚約破棄撤回を言ってきたりした。
婚約者に裏切られたこともショックだったけど、友子に罵られたことばかりが頭にあって、私がこのまま結婚したら友子と絶縁になるとそんなことばかり考えてた。
婚約破棄を言ってきたわりには、「いろいろ言われると僕は傷ついてしまうのでそちらからはメールも電話もしないでください」と婚約者に言われ、
怒っていいのか泣いていいのか分からなかったり、いきなり家に来た友子に「結婚したら一生許さないから」と言われて一家で大混乱だった。
両親がいろいろ処理してくれて、婚約破棄して慰謝料を受け取ったりした。
友子の方にはなにもして欲しく無かったけど、家にまで押し掛けてきたからと友子にも請求することになってしまった。
友子の両親が謝罪に来たけど、両親が対応して私は会わなかった。
だいぶ後に、友子から友美に連絡が来て「私子の元婚約者と結婚することにしたけれど、彼の両親が私子に遠慮してるせいで許してくれない。
私子に彼のご両親に謝罪して友子との結婚をするすようにしてと友子から説得して」というメールが来た。
あと「友子達の結婚式には友美は来てほしい。でも私子には来て欲しく無いから、来たいって言ったら友美が私子を言い聞かせて」
というメールもあった。
友美はずっと「目を覚まして」と友子に言ってたみたいだけど「もう私の手には負えない。友達でいるのももう無理」と言って縁を切った。
私は友子に「彼だけじゃなく友達までなぜ奪うの?」と泣きながら言われて言い返すこともできず逃げた。

彼氏が友達と~というのは、あり得ない出来事と思ってたけど、今ではそう風変わりでもない男女トラブルだったな~と思います。