数年前、6年生だった時の修羅場。

その日は私の誕生日だった。

両親は飲食店経営してて、あんまり裕福ではなかったから、誕生日とクリスマスは高価な物を買ってもらえる日だった。

その日も朝からワクワクして、店の裏にある小部屋で、4歳下の妹と待機してた。

祖母もお祝いに来てくれて、三人で静かに本を読んだりゲームしたりしてたんだけど、突然。

妹がひきつけを起こした。

背中を仰け反らせて唸り出す妹。

祖母は小さく悲鳴を上げ、私は頭の中が真っ白。

訳が分からないまま、父のいる厨房に駆け込んだ。

でも、言葉が出て来ない。

「〇〇(妹)が、〇〇が、」

と繰り返す私に、不審に思った父が

「〇〇がなんや!?」

ようやく、

「〇〇が変!!」

と言った私を見て全てを察したのか、父は仕事を放り出して小部屋に飛び込んだ。

必死に妹の背中をさすってた祖母と、痙攣する妹を見た父、ホールに向かって

「お母さああああんッ!!」

と怒鳴る。

すぐに母も飛んできて、祖母と交代。

父は救急車を呼びに行った。

その間、私は恐怖のあまり部屋の隅で震え上がってた。

救急車が来て、一緒に病院まで着いて行って、祖母と二人待合室で、店を閉める為に残った父が追い掛けて来るのを待ってた。

本当に怖かった。

そして、かなり遅れて来た父が、

「誕生日プレゼント買いに行こか」

と言って、欲しかったゲームソフトを買いに連れて行ってくれた。

その後は祖母の家で待っているように言われて、とりあえず大人しくしとかなきゃいけない、と思って、買ってもらったゲームをしてた。

その時炊いていたらしい生姜のきつい匂いを、今でもたまに思い出す。

妹はすぐに回復した。

第二の修羅場はその十日後、今度は父の誕生日。

朝起きたら、妹がお腹を抱えて唸ってる。

父が背中を撫でていた。
またひきつけた!? と一瞬思ったけど、

「お腹痛いって。お前はとりあえず学校行け」

と言われ、心配しながらも登校した。

帰って来たら、妹に原因不明の病気が見つかったらしく、入院していた。

この時一番修羅場だったのは両親だと思う。

私と妹にとっての修羅場は、厳しい食事制限がついたこと。

子供が好きな食べ物は全部ダメになった。

二人の好物のチョコもダメになった。

お姉ちゃんなんだから我慢しろ、とは言われなかったけど、妹が

「食べんといて!」

と怒るので、私も食べないようにした。

最初は本当に食べる物が無くて、毎日お粥みたいな食事だったけど、料理上手な母はすぐに工夫した料理を作って、普通とほとんど変わらないような食事になった。

むしろ、冷凍食品なんかが消えて野菜が増えたので、健康的な食卓に。

まだ病気は治ってないけど、妹は食事制限以外は元気。

むしろ私の方がよく風邪とかインフルとか罹る。