従姉の話。もう35年くらい前。

時効だろうし、書き逃げ失礼されたし、 
従姉は見た目は大人しそうな普通の女の子だったが、中身はかなり激烈な性格で、
見た目とのギャップが凄かった。 
従姉の弟の従兄と俺は年が近くて中学くらいまで3人で良く遊んでたが、あるとき、
従姉の友人のAちゃんが犬に噛まれるという事件があって、従姉が復讐すると言い出した。 
Aちゃんを噛んだ犬は敷地の外も放し飼いでうろついてる糞犬で
同じような被害にあう子どもは多かった。 

犬の飼い主もDQNで鉈で五月蝿い子どもを脅したり、畑でもなんでもない民家のあるとこに
烏を逆さづりにしてディスプレイしてるような奴だった。 
まず、従姉は犬を始末しようと考えた。当時は小学生だったので、特に知識がなかったので
初めはオタマジャクシを食わせたり、家にあった蝋燭を食わせたり(どちらも食わなかった)して、
復讐ごっこはことあるごとに失敗した。 
するとある日糞犬が死んでたと学校じゅうのニュースになった。
蝮に食われたらしいとわかって、天罰が下ったと思った。 

従兄は敵が居なくなったと満足してたし、Aちゃんは犬に怯えなくて良くなって明るくなった。 
それからしばらくして今度は糞犬の飼い主が亡くなった。
親父が通夜に行ったが死因は田んぼのなかに埋まって死んでたとしか聞かされなかった。 
ぶっちゃけ、田んぼで転んで石で頭を打ったり、腰をやっちゃって動けなくなって熱中症
(当時はまだ日射病とよんでた) で死んだって話はよく聞いてた。 
だからみんな深く考えなかったんだが、4年くらいあとになって、実はきのこの毒
(で朦朧として、田んぼに突っ伏して窒息)で死んだんだって聞かされた。 

そのとき恐ろしい早さで記憶がフラッシュバックしてきた。 
あの時従姉が糞犬に毒きのこ食わせて殺そうって話してたこと、
毒きのこ味噌汁の汁かけ飯を犬に食わせようとしてたこと、 
そして飼い主が死ぬ前に従姉と従兄と一緒に毒きのこを大量に取って、
従姉がどこかに持っていったことを思い出した。 

しばらく背筋がぞくぞくして、修羅場ってまさにこういうことかと思った。 
もちろん従姉に確かめる勇気はない。