あまり大事には見えないかも知れないけど、個人的に一番怖かった出来事。 

十代の頃、レンタルビデオ店で映画を幾つか借りようと選んでいたら、 
私のすぐ後ろを一人の男が通った。 
何故かその時妙な感じがして、少し注意してみたところ、 
さっきの男が何度か私の後ろを通り過ぎていった。 
もしかして邪魔なのかな?と思って別のコーナーに移動したが、 
その男はすぐにまた私の後ろを何度も通る。 

男は後ろを通るだけで他に何かをしている様子はなくて、 
しかも私が振り向くと目が合ったり、私の借りようとしているビデオを覗き込もうとしたりして、 
なんだか気味が悪かったので、さっさとレジに向かい会計をしていたところ、 
突然の悪寒と奇妙な視線を感じ、顔を視線の方向に向けると 
さっきの男が、店の端にある棚の影からこちらをじ~っと見ていた。 
男は私と目があうと、すかさずニタ~と笑ったので、 
思わず悲鳴を上げそうになり、私の心の中がかなりの修羅場に。 
店の人に言おうか迷ったけど、男はこちらを見ているだけなので 
気のせいと言われてしまえば、それまでなのではないか、 
それよりも早く逃げたい衝動に襲われて、会計が終わるとすぐに店を出た。 

それから一人で家に帰るまでの間、あちこち寄り道して万が一にでも 
つけられないようにして大変だった。レンタルした商品を返す時も怖かった。 

家族には自意識過剰だと言われたけど、むしろそっちであって欲しい。 
今まで何度か痴漢や、今のは危なかったな~と思う体験には遭っていたけど、 
今回は相手の目的がイマイチ分らなかったので異常に怖かったです。